馬券にはレースの3着内のうちの1頭が的中判定の対象となる「単勝」「複勝」の他に、2頭が的中判定の対象となる「馬連」「馬単」「ワイド」、さらに3頭が的中判定の対象となる「3連複」「3連単」など数多くの馬券が存在します。
ここでは、そんな数ある馬券の中から競馬初心者の方におすすめだと断言できる馬券「馬連」の魅力を解説していきます。
馬連とは
馬連とは、1着と2着になる馬の馬番号の組合せを的中させる馬券投票法のことです。1着と2着の着順は問いません。正式名称は、普通馬番号二連勝複式勝馬投票法といいます。
ちなみに、馬連とはJRAが主催する中央競馬での呼び名で、NARが主催する地方競馬では「馬複」と呼ばれています。また、馬券として導入されたのは中央、地方ともに1991年。中央競馬が初めて開催されたのが1954年からという歴史を考えると、比較的まだ新しい馬券といってもいいでしょう。
馬連の魅力
馬連の魅力は「そこそこ当てやすく」「そこそこ配当が高い」点です。
以下は、代表的な馬券の種別ごとの払戻金になりますが、単勝より高く、3連複や3連単など3連系馬券より低いことがわかるかと思います。
2019年馬券種別ごとの払戻金
種別 | 平均払戻金 | 最低額 | 最高額 |
単勝 | 986.5円 | 110円 | 22,810円 |
馬連 | 5,624.3円 | 130円 | 315,490円 |
3連複 | 22,142.8円 | 170円 | 2,145,000円 |
3連単 | 138,905.3円 | 580円 | 18,068,890円 |
3着内のうちの1頭が的中判定の対象となる「単勝」「複勝」は当たりやすいのですが、多くの場合それらの馬券は的中しても配当が低い傾向にあります。
一方、3着内のうちの3頭が的中判定の対象となる「3連複」「3連単」は配当は高い傾向にありますが的中率は低く、多くの点数の馬券を購入するような買い方(例えば1着候補に1頭、2、3着候補に5頭…など)が一般的で、購入金額が大きくなってしまいがちです。
その点「馬連」はある程度的中させやすく、穴馬が2頭のうち1頭でも絡めば配当もそこそこと、ある意味様々な馬券のいいとこどりといっても良く、初心者の方には扱いやすく、夢も見れるステキな馬券なのです。
馬連のイマイチなところ
馬連のデメリットとしては1、2着が人気馬同士での決着だと配当が安くなる点です。
1番人気の馬の連対率(2着までに入線する確率)は約50%ともいわれており、2レースに1回は1番人気の馬が2着以内に入ることになります。また、2番人気の馬の連対率は約35%前後といわれているので、1番人気、2番人気のワンツーフィニッシュといった人気馬同士での決着も少なくありません。下記は2021年の天皇賞・秋の払戻金になりますが、上位人気同士での決着になると馬連の配当はこれぐらい少なくなることもあるのです。
初心者が馬連で勝つためのおすすめの買い方と注意点
ここまで馬連の特徴をみてきましたが、実際にどう買えば勝てるのでしょうか。特に初心者の方におすすめできる買い方をいくつかご紹介します。
①柔軟に買う点数を変える
「馬連は必ず購入点数を絞って買う」と最初から決めずに、買いたい馬やレースにあわせて点数を変えていきましょう。競馬は着順がハナ差、クビ差という世界。同じ出走馬で同じレースをしたとしてもハンデ差や展開の紛れ、馬の当日の調子で着順は大きく変わります。そんな中、1、2着をピンポイントで的中させるのは至難の技。無理に点数を絞らずに、2着以内に来そうな馬は柔軟に買い目に入れるという気持ちで馬連は馬券を購入したほうが長い目で見て儲けることができるでしょう。
目安としては
上位人気で決着する気配が濃厚と感じたならば1~3点程度。1頭は人気サイド、もう1頭はどの馬が来てもおかしくないようなレースならば5~10点程度。2頭とも穴馬で大荒れ必至のようなレースであれば20点でも的中さえさせれば十分プラスになるでしょう。
初心者の方は「馬連流し」で買うべき
結論から言うと初心者の方は馬連を買うときは「流し」で購入するのがオススメです。
「流し買い」とは馬券の「軸」にする馬を決め、その「軸馬」と「相手」に選択した馬との組み合わせを購入する投票法です。
◆例:軸⑤、相手⑩⑪⑫の1頭軸流し買い→⑤-⑩、⑤-⑪、⑤-⑫
上でも述べた通り、1番人気の連対率は約50%、2番人気の連対率は約35%ということで、大体のレースで上位人気の馬が連対してきます。上位人気の中から信頼できる馬を「軸馬」として選び、相手に気になる穴馬を含めた相手候補数頭を選ぶような買い方は、購入点数も少なめですみますし、結果が上位人気決着でも、相手に穴馬が来てもどちらでもカバーできます。
下記は2021年の宝塚記念の着順ですが、軸を「クロノジェネシス」、相手に「ユニコーンライン」などの穴馬を買っており、もし「レイパパレ」がもう少しスムーズな競馬をしたとして着順を上げれていたとしても的中できていた、というような買い方が理想です。
軸を2頭に増やしたいときは、2頭軸流しも可能です。また、フォーメーション買いという方法もあるので、レースによって検討してみましょう。
ちなみに「フォーメーション買い」とは、1頭目、2頭目(3連系なら3頭目も)を1頭以上選択して、購入可能な組合せのすべてを購入する投票法です。
◆例:1頭目⑤⑩、2頭目⑤⑩⑪⑫のフォーメーション買い→⑤-⑩、⑤-⑪、⑤-⑫、⑩-⑪、⑩-⑫
馬連の「ボックス買い」はイマイチ、買っていいタイミング
一方「ボックス」買いは馬連ではあまり相性が良くないです。
「ボックス買い」とは、選択した馬番や枠番の組み合わせをすべて、同一金額で購入する投票法です。
◆例:⑤⑩⑪⑫のボックス買い→⑤-⑩、⑤-⑪、⑤-⑫、⑩-⑪、⑩-⑫、⑪-⑫
ボックス馬券は「荒れることを期待」して買うことが多い買い方で、点数も増えてしまいがちなので、人気馬がある程度信頼できそうなレースでは的中してもマイナスになってしまう「トリガミ」になる可能性が高くなります。
馬連をボックス買いすべきタイミングとしては、例えば、本命馬が不在(1番人気が単勝オッズ5倍を超えるようなレース)で、その他の人気馬も信頼度がイマイチ、2着内の馬はどの人気薄の馬が来てもおかしくないような大荒れ必至が予想されるレースであれば良いでしょう。
②絞ってワイドと一緒に買う
基本的に馬連を1点などに絞って買うことは的中が難しくあまり推奨できませんが、それでも点数を絞って1点にある程度の金額を張って、高額な払戻金を狙いたいという方もいると思います。そんな方は、ワイドという馬券と一緒に買うようにしましょう。
ワイドは3着内に入る馬のうち着順問わず2頭を選べば的中する投票法で、正式名称を「拡大馬番号二連勝複式勝馬投票法」といい出走馬が4頭以上の場合に発売されます。1着+2着、1着+3着、2着+3着と、アタリが3種類ある馬連の的中範囲を広げたようなイメージの馬券といえるでしょう。
馬連を1点に絞って買う際は、ワイドでも馬連と同じ買い目を購入しておけば、馬連がハズレたとしても、ワイドだけは的中できて助かった…なんてこともあります。
ワイドの平均配当は約600円ほどといわれており、一見配当は安く見えますが、点数を絞って金額を厚めに張っておけば、高額な払戻になることも。
12Rは「前走1着馬同士」の馬連・ワイドがアツい
中央競馬の最終レースである12Rは、2勝クラス戦(主に2回勝利した馬が出走対象のレース)や1勝クラス戦(主に1回勝利した馬が出走対象のレース)が多く組まれており、まだ各出走馬の能力を競馬ファンもイマイチ掴めていないメンバーが出走するケースが多いです。
また、時期によっては、もともと3勝クラス戦など上のクラスで走っていた降級馬(ダービーの翌週から4歳馬の収得賞金が半分になることにより、クラスがひとつ下に降級した馬)も出走してきたりするので、前走下のクラスで勝った馬が軽視される傾向にあります。
メインレースの後というファンの緊張の糸も切れるタイミングなので、予想も雑になりやすく、ファンの投票結果の現れであるオッズにも歪みが出てくるのです。
そのため、前走勝っている勢いのある馬にも関わらず、低人気で2着内に突っ込み高配当。なんて例がチラホラ。最終レースは前走勝ち馬が不当に低評価されていないかチェックしてみましょう。
まとめ
初心者の方に向けて、馬連の特徴や、馬連でおすすめの買い方をお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。
購入点数を柔軟に変えたり、ワイドと併用したり、レースでの予想と併せて自分に合った馬連の楽しみ方を是非見つけてみてください。
競馬というと、JRAが主催する中央競馬をイメージしがちですが、NARが主催する地方競馬というものもあります。
こちらは土日だけでなく、平日やナイター競馬なども開催していますので、週末だけでは物足りないという方はチェックしてみてください。
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